私達は中共によって国土を脅かされ、韓国に竹島を、ロシアに北方四島を奪われました。領土・領海・領空に於いてのみならず、日本の伝統や文化すら、既に失われ始めています。それ故、私達は早急に手立てを講じ、不当な諸外国の容喙を拒絶して、真の日本人の誇りと栄誉を取戻さなければなりません。今こそ、坂本竜馬の秘策だった、船中八策を振り返ってみることが、現代の日本の難題を解決する上で、非常に意義あることかと私は思います。大政奉還、議会制民主主義、国家の人材活用、憲法の制定、諸外国との条約締結、軍備増強、首都防衛、金融や物品の諸外国との格差差是正など、竜馬の弁は現代でも精彩を放っています。先人の知恵に学ぶべきものが、我々の身近にあるのです。本稿では、現代の船中八策と銘打って、直面する日本の課題について、処方箋を書いてみたいと思います。
天皇陛下を象徴とする国体護持
竜馬は幕府に、「政権を朝廷に返すこと」を八策の中で述べています。竜馬の言葉は「大政奉還」を意味する言葉ですが、尊攘派・公武合体派・佐幕派の三つ巴だった時期とは異なり、現代の我々は、天皇陛下への敬愛を失わず、「国体」とは何であるか、再び考え直す時期に来ています。国民は天皇陛下を象徴とする、日本人のアイデンティティの紐帯を強め、この国難に、国民が総意に基いて結束する必要性があると私は考えます。
議会制民主主義を機能させること
竜馬は次のように述べています。「上下の議会を置き、すべて公論に基づいて政治を行うこと」と。これは幕藩体制に代わる、議会制民主主義への展望を指して語った言葉ですが、現在の日本の議会制民主主義が、果たして機能しているかと言えば、私には疑問が出てきます。竜馬は、「公論」によって、政治を行うべきだと謳っています。果たして、2019年12月現在の議会{国会}は、「公論」によって政治が行われているのだろうか。私には疑問です。
新たな憲法の制定
我々日本人は、「自主憲法」を制定すべき時期に来ています。龍馬も、幕末の混乱期に、既に「新しく国家の基本になる法律(憲法)を定めること」を提唱しています。戦後の我々日本人は、憲法を遵守し、尊重するこに努力を惜しみませんでした。時代が変わり、国際情勢が緊迫する中、旧来の考えを改め、日本人自身のアイデンティティに根差す新しい憲法が必要ではないでしょうか。私には、憲法改正こそが、我が国の救国の指針となるかと考えます。
国際的なコンセンサスに立つこと
竜馬は次のように述べています。「外国と新たに平等な条約を結び直すこと」と。我々は、国際的な条約を一方的に破棄する隣国を見てきました。惜し気もなく、手を差し伸べて来た隣国に、手痛い仕返しを蒙ったのです。これは、一国家への侮辱に相当します。隣国にとって、日本は「平等な国家」ではなく、上から物を言ってもいい相手だと勘違いしています。故に、日本は動ずることなく、条約を履行した経緯を、相手方にぶつけるべきです。
絶対に国防を怠らないこと
竜馬の視点は以下のものです。「海軍の力を強めること」及び「親兵を設けて都を守ること」です。日本は海洋国家です。度重なる尖閣諸島への中国公船の侵入に対し、防衛力を高め、国土保全の警戒を怠らないようにすべきです。竜馬の考えが正しかったのは、日露戦争を引き合いに出すまでもありません。緊迫する国際情勢の中で、我々が進むべき道すがらを指し示しているかと思われます。
この記事のまとめ
竜馬の語録はまだあります。出自にとらわれず、幅広い人材の活用 (公卿・大名のほか世のすぐれた人材の中から顧問を選ぶこと) や、経済格差の解消 (金銀の比率や物の値段を外国と同じにするよう努めること ) など、既に、明治の世の中を見越していたかのような気宇広壮な眼力です。我々は、今の時代ですら、燦然と輝く竜馬の言葉に、耳を貸そうではありませんか。畢竟、それが未来の日本を造っていく。私は、そう信じています。
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