中国は危機に陥っています。否、習近平その人が窮地と言っても過言ではありません。結論から言えば、習近平は軍の改革に失敗し、内戦を惹起する恐れすらあります。経済が失速した果てに待つのは、デモの拡大や都市騒擾、大規模な暴動だけに留まりません。瀋陽軍区 のクーデターの可能性が否めないのです。朝鮮半島有事の際に、 瀋陽軍区 がどう動くかに、私達は着目する必要があります。精鋭と言われる瀋陽軍とは何か。朝鮮半島と、如何なる関わり方をしてきたのか。何故、瀋陽軍区がクーデターを起こす可能性が高いのか。歴史的な検証を交えつつ、現状を探ってみたいと思います。
北朝鮮に核開発をさせた元凶
瀋陽軍区は中国に5つある軍区の一つです。朝鮮半島に隣接し、極めて近代的な装備で武装した、特殊な軍区です。北朝鮮に対する、日本やアメリカの経済制裁の実効性が失われた理由の一つに、 瀋陽軍区の存在が挙げられます。核開発に必要な物資や技術を北朝鮮に供与していたのが瀋陽軍区なのです。実は、瀋陽軍区には核の配備がなされていません。成都には核が配備されていますが、瀋陽軍区に核はありません。詰まり、内戦が始まっても瀋陽軍区は核を持たない為に劣勢となるのです。だからこそ北朝鮮に核の開発を急がせ、物資や技術を横流ししてきたのです。北京政府が瀋陽軍区に核を配備しないのは、北京政府ですら、瀋陽軍区を統制出来なかったからです。習近平は軍制改革に臨み、瀋陽軍区(軍閥)の解体に着手しましたが、見事に失敗したのです。朝鮮半島有事の際に、北朝鮮との国境を一番最初に越えるのは、この、瀋陽軍区なのです。これは何を意味しているのか。北朝鮮に開発させた核ミサイルを、瀋陽軍区が手つかずで手に入れることを意味します。
朝鮮半島有事と連動する瀋陽軍区
瀋陽軍区は北京軍区の一部だった内モンゴル自治区を取り上げ、山東省も手に入れています。詰まり、既に内乱が兆しているのです。瀋陽軍区の幹部の刷新を断行した習近平は、逆に、小規模ではあるが、クーデターも許してしまいました。中国の軍隊が一枚岩ではなく、各軍区で、割拠しているに等しいのです。実際に、瀋陽軍区の前身となった部隊は、朝鮮人によって構成されており、現在、瀋陽軍区には180万人もの朝鮮人が住んでいます。故に、朝鮮半島有事の際に、真っ先に動くのは、瀋陽軍区だと言えるでしょう。米韓の同盟が有名無実化した今、北朝鮮軍と瀋陽軍が、雪崩のように38度線を突破するのは目に見えています。第19回の全人代で、いくら高らかに宣言しようと、今の習近平には、瀋陽軍区の統帥権はありません。詰まり、瀋陽軍は独自の判断で北に加担する筈です。
半島を併呑する瀋陽軍区
飽くまで、私の推論ですが、瀋陽軍区は”統一朝鮮”を、政治的かつ軍事的に、併呑するかと思われます。力を付けた瀋陽軍区は、もはや習近平に対し、一歩も譲らない形となるでしょう。反習近平派で構成される瀋陽軍区は精強で、他の軍区の部隊と交戦になっても、敗北しないでしょう。反習近平派の先鋒である瀋陽軍区が、どう動くか。恐らく主権を北京に呑ませ、分離国家となるか、クーデターによる政府転覆だと思われます。いずれにしても、失策を問われて、習近平が自分の地位を保てなくなるのは、目に見えています。
習近平による軍近代化政策の挫折
中国の軍は一枚岩ではないことは指摘した通りですが、何故、軍の近代化政策が失敗したのでしょうか。理由は簡単で、習近平派と反習近平派の間の、汚れた利権争奪戦に原因があります。今現在、習近平は完全に軍を掌握していません。よく、”中国軍”という表記を見かけますが、それが何処の軍区の部隊なのか、判然としません。瀋陽軍区は、習近平に従ってはいませんし、恐らく、独自の判断で動いていると思われます。習近平による”軍の近代化”の実態は反習近平派(瀋陽軍区)潰しだったことは明白です。
瀋陽軍区の存在と中朝関係
仮に米中が、金正恩無き後の半島情勢で手打ちをしても、習近平には瀋陽軍区を解体するだけの力がありません。北朝鮮は、中国北京政府に従っておらず、隣接する瀋陽軍区との連携を深めているからです。中国共産党が北朝鮮を組み込むのに先立って、先ず、すべきことは、瀋陽軍区を解体して北京の支配下に置くことですが、事実上これは不可能です。朝鮮半島有事に、真っ先に動くのは瀋陽軍区であり、半島を掌握した後に、北京政府に対して如何なるスタンスを瀋陽軍区がとるのか、誰にも定かではありません。北京政府の頭越しに、北朝鮮と瀋陽軍区は提携しており、北京政府の威光が北朝鮮に届かない理由も、瀋陽軍区の存在なくして語れないのです。仮に、中共が北に核開発を断念するよう圧力を掛けたところで、北が核開発を止めない理由は、北が瀋陽軍区と密接な関係下にあるからです。
朝鮮半島有事と中国内戦
今現在、中国は内戦の可能性を内包しています。先に述べたように、瀋陽軍区は内モンゴル自治区を併合し、海軍要衝の山東省を手に入れています。半島有事で利を得るのは瀋陽軍区であり、現に瀋陽軍区の高官達は、北朝鮮で採掘されるレアメタルの利権を握っています。増長した瀋陽軍区に対し、北京政府は核を恭順の材料に使う筈ですが、半島には北朝鮮の核がある。中国では、いずれ内乱が起きる筈ですが、瀋陽軍区は各軍区の部隊を打ち破るでしょう。戦争の最前線に立ち続けて来た瀋陽軍区には、精鋭の部隊が配備され、武器弾薬も豊富に存在しているからです。地政学的な理由から、軍事的な要衝とされた瀋陽軍区には、真っ先に近代的な装備が割り振られてきた歴史的経緯があります。中国内戦の勝利者は、北京政府ではなく、恐らく瀋陽軍区と言っても過言ではないでしょう。
この記事のまとめ
事実関係に基づいて、中国の内戦の可能性を探って来ましたが、現状では、飽くまで推測の域を出ません。一つはっきりしてるのは、中国軍は一枚岩ではなく、軍閥が割拠する前近代的な状況下にあるとの認識です。事実、瀋陽軍区は北京政府に従っていません。朝鮮半島有事は、必ず中国にも波及します。瀋陽軍区が、どう動くか。中国の将来を考える上で、重要な位置を瀋陽軍区が握っていると言えるでしょう。
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