中国では、自国の伝統文化が破壊され、反革命の烙印を押されて虐殺の歴史が繰り返されて来ました。中国の伝統思想を受け継いだ知識層は、1957年、中国共産党に危険視され、「反右派」運動の槍玉に上げられました。中国共産党は、伝統思想を破壊することを目的として、「反右派運動」によって知識層を虐殺していったのです。1966年には「文化大革命」なる壮大なプロパガンダが展開され、宗教や伝統的な価値観は、「反革命分子」の名の下に、徹底的な掃滅を蒙ったのです。文化大革命では、8000万人とも目される中国人が虐殺され、著しい社会混乱を招きました。1999年に入ると、中国の伝統的な修練法である、法輪功が社会の敵だと見做され、収容所送りや臓器狩りの対象となったのです。以上、見てきたように、中国は「伝統的な価値観」を廃して、国家の文化を転覆して来ました。
現代の中国人のモラルの欠如は、「善や義」を破壊してきたことに起因します。
本稿では、中国のモラルハザードを詳述し、畢竟、日本に如何なる影響を及ぼすか、考察して参りたいと思います。
伝統的な道徳を破壊してきた中共
冒頭で見た通り、中国共産党は、伝統に根差す「道徳」を破壊し尽くしました。
「嘘と虚偽、暴力」が中国に瀰漫する理由は、伝統的なモラルを反革命だと見做して、破壊の限りを行ったためです。
中共が吹聴する共産主義社会では、人民が薔薇色の天国に住まうと喧伝されています。然しながら中国社会は「悪」が蔓延っており、法輪功学習者の臓器狩りなど、歴史に類を見ない悪事が蔓延することになったのです。中国は「詐」の字を当て嵌めることが出来るほど、社会は嘘に満ちていて、人民は真実を知らないのです。勿論、これは、共産党指導者層の責任です。人民から、「徳」をスポイルしてしまった後に残るのは、騙し合い、傷付け合う、中国国家の、無残な末期症状なのです。
グローバル化する中国のモラルハザード
伝統を破壊し、嘘といびつな拝金主義が、昨今、グローバル化しています。世界各地で軋轢を生む中国の共産主義(党文化)は、一つのモデルとなって輸出され、国際社会に瀰漫し始めています。「中国流」のイデオロギーは、共産党独裁であり、彼等は、妄想と付しても差し支えないユートピアを夢見て居ます。米ソ冷戦の終焉は、共産主義の壮大な「実験」が失敗に終わったことを意味します。何故なら、「徳や信義」に基づかない限り、世界の世論は中国に加担することは有り得ないからです。
マルクスは、資本主義の最終形態は、プロレリアート独裁だと断じましたが、現在の中国では、社会主義の標榜する「平等の原則」は実現されず、汚職を増やし、特権層の跋扈を許すといった、逆説的な社会構造を作り出したのです。
世界各国で軋轢を生む中国のセオリーは、共産党自らが破壊した「徳や信義」の欠如によるものです。血生臭さい弾圧と虐殺、伝統文化の破壊こそ、中国共産党をナチス以上の弑逆に駆り立てた、根本の原因です。
中国の論理は、グローバル化の波によって伝播し、様々な国々でモラルハザードを惹起しています。先ずは自国の伝統を破壊し、次にチベットやウイグルの伝統文化を破壊する。そうした中国の世界覇権への野心は、当然、日本にも及んでいるのです。
中国が悪事を働く理由
冒頭に見た、中国の伝統文化の破壊は、中国人から、事の理非や善悪の観念を、見事に抜き取ってしまいました。毛沢東は「鉄砲より国家が生まれる」と伝えていますが、幼少の頃から毛沢東のイデオロギーを教え込まれた中国人は、中国の伝統的な美徳である「信義や博愛」を忘れ、国中を腐敗だらけにしてしまったのです。これは、中国の伝統文化破壊と機を一つにしています。何故、中国がチベット仏教を破壊しようとしているのか。それは「善」に基づく観念を、破壊せんが為なのです。
独裁国家中国は、諸民族が持つ「伝統と文化」を破壊して、「善なるもの」を否定し、「毛沢東語録」を強制して、「革命」をグローバル化させることを目論んでいます。
この記事のまとめ
国家が受け継いだ、いにしえよりの伝統文化を、焚書坑儒で焼き捨ててしまった後に残るのは、善の否定と、独善に他なりません。共産党と国民は「信義」で結ばれたものではなく、血生臭い歴史の恐怖以外に両者の繋留は存在していません。道徳を失った国家に、未来があると考えるのはナンセンスです。断末魔の中国が内部から崩壊する日が近いのです。
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