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​複雑な国際情勢をコンパクトにまとめることが出来ないか考えて、私はこのブログを書き始めました。今、世界で何が起きているか、一早く読者の皆さんと情報をシェアしていきたい。その思いから、記事を書くことにしたのです。

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執筆者の写真Masaki Ogawa

尖閣侵略の悪夢|増強する中国海軍と自衛隊戦力

更新日:2020年6月2日


現状のまま、尖閣諸島を放置すれば、中国が侵略する可能性が非常に高い。中国海軍は、ここ5年に渡って、格段に海軍の戦闘力を増強しており、現時点で既に、自衛隊の戦力を、はるかに凌駕しているからです。アメリカのシンクタンクである、「戦略予算評価センター(CSBA)」による報告書「日本の海洋パワーに対する中国の見解」に於いての総括では、中国海軍の火力は威力を増し、日本を屈服させるシミュレートに着手していると分析、仮に中国と日本が全面戦争に至っても、中国は日本を敗北させる戦備を整えたと、ショッキングな報告をしているのです。一部の国会議員を除いて、この国の危難に無関心且つ鈍感な国会議員を、私は非常に腹立たしく感じています。改憲を高らかに叫ぶ一方で、現実を見ない輩が多過ぎる。「国家存亡」の折り、国を売る者がいる。CSBAの警鐘は、東シナ海でのパワーバランスの崩壊を指摘するものであり、日本が米国と連携を深め、東シナ海に於ける戦備増強に関して、早急に対処することを推奨してます。中国は艦艇の火力を上げ、性能を強化し、とりわけミサイル垂直発射装置(VLS)の性能を飛躍的に高めている。現状の自衛隊戦力では歯が立たず、軍事衝突ともなれば、自衛隊は確実に敗北する。中国は、日本(尖閣)侵略の準備を着々と進めて来ており、正に、尖閣諸島を奪わんと計略を練って来た。「統合幕僚監部」の報道発表資料では、4月29日に、海上自衛隊所属の「くろしま」が、宮古島から160Kmの海域を、中国海軍ルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦一隻、ジャンカイ級フリゲート艦一隻及びフチ級補給艦一隻が、沖縄本島と宮古島の中間海域を抜けて、太平洋に向かったことが、報告されています。東シナ海海域に於いて、非常に危険な兆候が増す中、日本の国会議員の大半は、何をやっていたのか。花見騒動に明け暮れ、国会審議を放棄して、中国の覇権行為に、毅然とした態度で臨まない。彼らが本気で国益を考えるならば、CSBAの報告を、どう受け止めるのか、私は聞き糺したい。国内世論を喚起して、議論を重ねて政策を整え、国民に啓蒙する職責を怠って来た国会議員は、もはや売国奴とすら呼んでいい。本稿では、「尖閣の悪夢」と題して、増強する中国海軍の動向を探って参ります。

嘉永6年を超える国難

嘉永6年(1863年)、浦賀に現われた黒船は、日本国内に於いて、弩級のインパクトとなって、国体変革へと突き進ませました。開国して文明開化しなければ、列強の餌食になる。例えば、上海に遊学し、太平天国の乱を見聞した高杉晋作は、尊皇攘夷へと突き進んで行きました。当時の米国との不平等条約に怒りを発し、高杉は、勤皇破約攘夷の宣伝活動を開始します。正に、当時は国難でした。然しながら、下士草莽が決起して、時代の大きな変革をやってのけたのです。既に、1738年に於ける著作、林子平の「海国兵談」にも、「国防には近代的な海軍が無ければ不可能である」との記述が見えます。事実、陸主海従から海主陸従への国防方針の転換に伴い、内閣総理大臣・山本権兵衛の指示に従って、「帝国国防論」を陛下に献上した佐藤鉄太郎は、「海国兵談」を参照していました。いつの時代でも日本が海洋国家であるのは間違いがない。特に、海防を怠れば、国の存亡に関わる。そうした通念が、歴史的に受け継がれて来たのです。ここまでは歴史の話ですが、現在の日本に於いても、本質的な事情は変わっていない。だからこそ、私は、増強する中国海軍が日本を標的にしている事実を、看過出来ないのです。端的に言って、中国の海軍近代化の目的とは、日本を侵略する準備に相違ない。果たして尖閣を簒奪した中国は、次に沖縄を標的にする筈です。

危機感に欠ける沖縄知事

玉城デニー沖縄県知事は、先だって、「中国の一帯一路に賛同する」と称し、更に、「中国が沖縄を侵略している事実は存在しない」と放言しています。既に、中国の一帯一路は破綻している上に、尖閣海域を侵犯する、中国艦艇の動きに無頓着且つ無責任な発言を繰り返す、玉城デニー知事の無能さには呆れるばかりです。こうした玉城の発言に対して、石垣市議会は抗議決議書を提出しています。曰く、「玉城知事にとって、尖閣諸島周辺海域は、日本の領海ではないとの認識なのか」と。これは全くもって正しい指摘であり、沖縄県知事として、曖昧な文言で済まして良い発言ではない。尖閣諸島を失えば、沖縄本土が標的になる。何故、今、中国が海上戦力の充実に余念が無いのか、玉城には理解が不可能だと思われます。海洋国家である、日本を侵略する為には、海軍力の充実が不可欠であり、地政学上、軍事的な要衝である沖縄を落とせば、日本本島への強力な橋頭堡となる。そうであるが故に、中国は尖閣を狙い、沖縄を狙っている。自衛隊の海上戦闘能力を、中国海軍が凌駕している現在、単に水域を侵犯した事実に留まらず、中国の真の野心に警戒するべきなのです。

政治に課せられた課題

以降、拙稿からの引用ですが、再掲しておきます。

このまま尖閣を放置すれば、日本の安全保障が大きく脅かされ、遂に、中国の実効支配を許してしまう。日本国の喫緊の課題は、尖閣を始めとする島嶼防衛であり、政治家は、正しく国民に啓蒙すべきです。媚中派を政府与党内、及び売国野党から一掃し、真の国士によって政界を再編する。それが私の願いであり、現在の国難を乗り越える、絶対に必要な条件だと考えています。日本政府は一貫して、尖閣諸島に領土問題は存在せず、日本の主権が絶対的であるとの認識を示してきました。然しながら東シナ海に野心を抱く中国は、尖閣諸島を実効支配せんが為に、連日のように武装艦艇を領域侵犯させています。世界で蔓延する、コロナ禍を好機と捉える中国は、尖閣海域への艦船の侵犯頻度を高め、あたかも、自国領だと公言して憚らないのです。ショッキングではありますが、恐らく尖閣は、数年の内に中国に簒奪されてしまう可能性が非常に高い。日米軍事同盟が、どの程度「尖閣危機」に対応出来るか、現状では不透明だと言ってよく、国の総力を賭けてまで、大規模な軍事衝突を米国が尖閣危機に際して果たすかどうかは、誰も知り得ないのです。以上の経緯には、当然、日本の政治家の怠慢も関わっています。キューバ危機を経験した米国は、尖閣問題を現実的に捉える見方が主流です。センシティブな自衛隊増強論や、改憲すれば事態が好転するといった、日本の保守派の思考は、考えが浅い。尖閣を奪取されてからでは遅い上に、一国を揺るがす大事変だと考える視点が足りていない。これがアメリカの主流の意見なのです。日本が改憲すれば、中国による東シナ海覇権の野望を挫くことが果たして出来るのか、疑問に思う向きが専門家の間から出ています。日米安保条約第五条に則って、有事の際、軍事的なオペレーションが発動しますが、主体である当事国はアメリカではなく、日本自身が専守防衛に徹する必要がある。私は、自衛隊増強や改憲には強く賛同しますが、米国シンクタンクの言うように、国家総動員での防衛意識を国民全体が共有するのが望ましいと考えています。

以上が、拙稿からの引用ですが、結果的に言えば、今の日本に必要なのは「軍備拡大」なのです。法制度の整備も、勿論必要です。然しながら、軍拡を推し進めない限り、いずれ中国に尖閣諸島を盗られてしまう。現状では、局地的な敗北ですら、日本は白旗を振ってしまう可能性が高い。そうであるが故、日本の政治家は覚醒して、世論を引っ張る気概が必要なのです。

この記事のまとめ

CSBAの警鐘は、東シナ海でのパワーバランスの崩壊を指摘するものでした。自衛隊は装備で中国に破れ、劣勢に立たされているのを見過すべきではありません。海防を怠れば、国の存亡に関わる。そうした通念が、歴史的に受け継がれていれば、何ら焦る必要は無い。然しながら、「国軍創設」「軍備拡張」は、依然として机上に登っていない。繰り返しますが、中国海軍の火力は威力を増し、日本を屈服させるシミュレートに着手していると分析しており、仮に中国と日本が全面戦争に至っても、中国は日本を敗北させる戦備を整えたとCSBAは警鐘を鳴らしている。2021年にも、尖閣諸島に軍事基地を作ると、トランプ大統領は語りましたが、日本も中国への警戒を更に強め、米国と歩調を合わせて、断固、中国を寄せ付けない覚悟が必要でしょう。

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