チベット人の弑逆者・江沢民は、六四運動の弾圧の後、反日教育を推進していくことになりますが、これは外部に敵を作って「愛国心」を鼓吹し、人民の内政上への不満を他国に転嫁する為です。私が大学生だった頃(バブル期)にも、日本に大勢の中国人がやって来ましたが、彼等は皆、「親日的」であり、私も中国人の友人を何人も作った過去がある。現在の反日的な人民に対して、私は怒りの矛先を向けて居らず、「歪んだ愛国教育」を実施した、江沢民こそ、私は憎んでいます。あれから31年が経過し、目まぐるしく変化した中国社会を、私は冷静に眺めています。私は大学で、諸外国の事情講義に於いて、チベットやウイグル、南モンゴルは中国の「自治区」だと習いましたが、全ての自治区で何が起きていたのか知ったのは、何年も後になってからのことです。江沢民の反日愛国教育は、中国人民の意識を歪め、30年をかけて、中国人の思想を根底から覆すことに成功したのです。習近平体制下に於いても、反日教育は改まらず、依然として、人民は、日本国家を憎んでいます。改革派であった胡耀邦(百家争鳴による言論の自由を唱えていた)の死が、六四運動の起点でしたが、同年5月15日のゴルバチョフの訪中もあってか、自由と民主への展望を若い学生達が大きく膨らませていたのは事実です。学生側を斟酌した超紫陽は共産党中枢から失脚し、中央政界を掌握した鄧小平は、全土に戒厳令を敷き、結果的に武力を用いて学生運動を鎮圧しました。弩級の民衆弾圧が、嘗て中国で起きたことを、その後、中共はひた隠しににして、世論を騙し続けて来ましたが、時代は変わっても、一部の一握りの特権層・支配層の為に、無辜の人間が惨たらしく殺害される、腐敗した社会(恐怖政治)は変わっていない。「国家安全法」の導入よって、香港の息の根を止めた中共は、今、正に、世界中で牙を剥いている。「反革命的」な分子には分裂主義者のレッテルを貼り、拘禁乃至は殺戮する。これが六四後の中国です。本稿では、六四後の天安門(北京政府)について詳述し、中共の反日政策に言及します。
改革解放経済の欺罔
鄧小平は、中国民主化の息の根を止めた張本人です。彼はかつて、チベット侵攻の指揮を執り、他国を侵犯した過去がある。社会不安を防止する観点から、鄧小平は、六四後の、所謂「改革解放経済」によって国を潤わせ、経済を民主化して人民の社会への不満を減殺し、体制への不満を和らげるべく、経済発展に国策の軸足を置いてきました。日本や米欧は、経済的な民主化が進展すれば、自ずと中国も、政治的にも民主化するに相違ないと、多寡を括っていた側面があったのです。結果は自明でした。中国共産党は政治的な仕組みを温存しつつ、特権層の腐敗を国中に拡散し、拝金主義を生んで、社会の風紀を紊乱させ、官吏や党指導層の不正な蓄財を許し、極端な経済格差を作り出して冨貴経済の招来を許しました。民主化はおろか、腐敗と汚職で国の政治を汚染させ、粉飾した数字で経済発展を鼓吹して来たのが中共の実態です。我々日本や米欧の期待は裏切られ、人権弾圧や民族浄化、臓器収奪などを横行させる、邪悪な専制国家を容認してしまったのです。
治安維持の対価
中国では、治安維持費が国防費を上回っています。人民の暴動や異なる民族の分裂主義を異様に警戒し、非常に高いコストを支払って、民衆の封じ込めに躍起になっている。膨張主義を継続して他国を侵略し、住民弾圧に高いコスト支払わねばならない中共は、愚の骨頂と言っていい。「国家安全法」を制定し、本格的に香港の自由主義への破壊に着手した中共は、下手をすれば31年前の悪夢を再来させかねない。香港デモを、武力で鎮圧する口実を作り上げた、薄汚い中共の体質は改まることを知らず、無辜の香港民衆に発砲する危険性を孕んでいる。高い対価を払ってまで、中共が暴動を抑え込もうとする理由は明白です。もし仮に、中共政権が転覆したら、真っ先に処刑されるのは党の権力者達だからです。そのため、中共は莫大なコストをかけて治安維持の対価を払っているのです。
反日政策の本質
冒頭で見た通り、六四事件で実権を握った権力グループは、依然として国家の中枢に居座って、天安門事件を隠蔽しようとしています。暴動を防止するためには、新しいナショナリズムを構築しなければならない。老獪な江沢民の考えついた結果は、「(捏造した)歴史問題で日本を責め立てる」ことでした。中国人民による沖縄尖閣デモは官製デモであるのが暴露されていますが、歴史を引き合いに出して、「反ファシズムの勝利」だと鼓吹する、中共のプロパガンダには乗せられないことです。この種の滑稽な歴史的捏造にですら、意図的な教育を通じて、中国人民の頭に刷り込まれてしまっている。30年に渡る反日教育のために、人民は日本を敵視するように改造させられました。30数年前、私が出会った中国の友人達は、押し並べて皆、親切であり、親日派が多く、真剣に日本に学ぼうとしていました。然しながら30年の時を経て、IT技術を悪用して他国の技術を盗んだり、民族差別的な言葉を日本に投げつける中国人民を見ていると、私は胸の痛ましさを感じるのです。
この記事のまとめ
捏造された歴史によって、日本の名誉失墜を狙い、国内の不満分子のガス抜きをする。少なくとも江沢民は、”歴史戦”を武器として使っていましたが、彼が撒き、発芽した反日主義が、現実に尖閣諸島での軍事的な脅威となって、日本に降り掛かっている。単に、イデオロギーや歴史の問題に留まらず、現実に、軍事的脅威となって日本に災厄をもたらしています。本稿で、私が主張したかった核心は以上の点です。六四運動の余波が、30年を超えて、日本の危機に直結する結果を生んでいる。だからこそ、私は六四運動を他人事としては捉えていないのです。私達は、再び、香港弾圧の口実を中共に与えてしまった。これはいずれ、日本にフィードバックする筈です。
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