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​複雑な国際情勢をコンパクトにまとめることが出来ないか考えて、私はこのブログを書き始めました。今、世界で何が起きているか、一早く読者の皆さんと情報をシェアしていきたい。その思いから、記事を書くことにしたのです。

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執筆者の写真Masaki Ogawa

ウイグル弾圧|監視国家と民衆の自由

更新日:2019年12月2日



ウイグル社会には、中国共産党の監視網が行き渡っています。夥しい数の監視カメラや、スマートフォンの遣り取りを傍受する高度な技術、個人を識別する網膜のデータ収集など、中国は惜し気もなく予算を投じて、高度な監視網をウイグル社会に構築しています。何故、中国は、これほど過剰にウイグル地区を警戒するのか。テロを警戒し取り締まりを強化する。それが当局の表向きの説明ですが、行き過ぎた監視が意味する理由は、他にもありそうです。ウイグル社会は沈静化しており、暴動や騒擾の兆しも無く、テロも起きていません。では何故、ウイグル地区に中国は過敏になっているのか。更なる合理的な説明が成されるべきです。ウイグルに対する当局による弾圧は常軌を逸しており、昨今では、中国共産党は極端に神経過敏になっています。今回の記事では、先ず、ウイグル弾圧史を紐解き、最後に、中共のウイグル社会への弾圧の理由を、ウイグル地区の地政学的な側面から迫る予定です。


中共によるウイグル弾圧

ヤルカンド虐殺

日本ウイグル協会は、ヤルカンド事件を告発しています。これも精査する必要があります。元はと言えば、都市騒擾や暴動、テロなどを引き起こしたのは、中共による圧政が原因です。日本ウイグル協会の文書には、ヤルカンド事件で数千人の虐殺があったと報じられています。以下に、全文を掲載します。



以上の記事から、一部抜粋すると、事実の経緯を踏まえ、以下の通りに要約出来ます。


ラマダン期間中に中国当局は、 7 歳の少年と 72 歳の老人を含む家族 5 人を、 ウイグ ルの伝統衣装であるスカーフを女性が着用しているとして射殺し、 この残虐な行為に抗議したウイグル人たちにも発砲し たことがきっかけとなっています。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)の報道によれば、 その後も武装警察はヤルカンドで無差別の発砲を続け、 数千 人規模のウイグル人が虐殺された


これは、2014年7月28日の出来事です。

この事件以降、中国当局は、テロ対策と称して、ウイグル人への迫害を強めていきます。


高度な監視網による人権剥奪

世界ウイグル協会によれば、現在、ウイグル内に500箇所近い収容施設が存在し、100万人を超えるウイグル人が拘束されているとのことです。 ワシントンに本部を置く、東トルキスタン国民覚醒運動(ETNAM) も、衛星写真の解析から、同種の結論に至っています。一体、この施設では何が行われているのか。中国政府の公式の発表では、「収容所でなく、民生施設であり、職業訓練やテロ思想を放棄させる為の施設である」と欺瞞に満ちた回答をしています。結論から言えば、これは”同化政策”であり、”民族浄化”及び”虐殺(ジェノサイド)”と言っても過言ではありません。これは、現在進行形で進む、中共によるホロコースト以外の何物でもありません。 監視カメラ「DS-2CD7A2XYZ-JM/RX」を使った監視網がウイグル社会全体に張り巡らされていて、ウイグル地区は極めて高度な監視社会になっています。監視カメラを開発したのは、中国企業の ”HIKVISION ”であることも、露呈しています。監視カメラ「DS-2CD7A2XYZ-JM/RX」は、ウイグル人の思想・信条の自由及び信教の自由を脅かし、人権弾圧の為に開発された、特殊なカメラです。


ウイグル人の拘束と、強制不妊及び臓器摘出

米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA) によれば、”再教育施設”でウイグル人の死亡が確認されたと、初めて伝えています。警察当局の公式の発表を受けての報道ですが、数が少なく(150人のウイグル人が半年で亡くなった)、死亡者数を偽っている可能性が非常に高いと見られます。 既に、ヒューマン・ライツ・ウォッチや米国務省 が指摘する通り、ウイグル人収容所では、拷問や虐待が行われている可能性が極めて高いのです。


ウイグル人男性が警察当局に連行されるドキュメンタリー映像を以下に記載します。


ウイグル地区に関する外国への報道規制は著しく、亡命したウイグル人からの証言録、及び衛星写真などから、欧米の人権活動家や公的機関は、ウイグル弾圧の実態に迫ろうとしています。 2016年8月に共産党委員会書記に陳全国が選出されましたが、ウイグル人の拘束に大規模に関与しているのは、 他ならぬ陳全国です。後に詳述しますが、この弾圧には、国家主席の習近平の公式な指示と通達があったことが判明しています。 The Population Research Institute のよれば、収容所に入れられた女性には不妊処置が取られ、また、 ロンドンの特別組織チャイナ・トリビューナルによれば、 中には生きたまま臓器が奪われたウイグル人も存在するとの報告を行っています。これは中国が巨大な臓器売買のネットワークを有しているのを意味します。



チベットの70年史を考えれば、ウイグルも同じ末路を辿ると思います。ウイグル弾圧に関する公文書も出てきています。文書には、習近平氏の指示があったと書かれています。当局曰く、収容所ではなく、民生施設であり、ウイグル人は、その恩恵を受けているとのこと。私には、にわかに信じがたいです。 中国は、国防費より治安維持費の方に予算が多く割かれています。それもこれも、膨張主義の為せる業です。NYタイムズの告発した文書に書かれている通り、習近平による公式の通達である以上、習の旗振りの下に、過剰な治安維持がウイグルに敷かれています。


NYタイムズの告発文書

繰り返しになりますが、ウイグル社会には、中国共産党の監視網が行き渡っています。夥しい数の監視カメラや、スマートフォンの遣り取りを傍受する高度な技術、個人を識別する網膜のデータ収集など、中国は惜し気もなく予算を投じて、高度な監視網をウイグル社会に構築しています。何故、中国は、これほど過剰にウイグル地区を警戒するのか。テロを警戒し取り締まりを強化する。それが当局の表向きの説明ですが、行き過ぎた監視が意味する理由は、他にもありそうです。ウイグル社会は沈静化しており、暴動や騒擾の兆しも無く、テロも起きていません。では何故、ウイグル地区に中国は過敏になっているのか。更なる合理的な説明が成されるべきです。ウイグルに対する当局による弾圧は常軌を逸しており、昨今では、中国共産党は極端に神経過敏になっています。


NYタイムズは、衝撃的な暴露記事を掲載しました。ウイグル自治区への弾圧は、習近平氏による公式の通達だったと報告しているのです。


NYタイムスが公開した文書です。私はこれが偽りの情報であるとは考えにくい。習近平氏は、この内部文章に、「容赦するな」と指示を出しています。現状では、ウイグル人=テロリストと言わんばかりの議論を展開する人もいるのです。民生施設というより、監視社会の究極形態をウイグルに作り出している。これは、現在の香港と同じ現象です。以下、英文ですが、根拠を示しておきます。



‘Absolutely No Mercy’の意味するところは、「情け容赦はするな」と言うことです。これは公式の通達であり、先日、TVでも報道されていました。これは何を意味するのか?私は習近平氏の関与を否定出来ないと考えます。


地政学的にウイグル地区の意味するもの

改めて地図を広げてみると、ウイグル地区の広大さに目を見張ります。1950年代から漢族( 新疆生産建設兵団 )の入植が続いたウイグル地区は、1990年代にはウイグル全体の人口構成比の約40%を占めるに至り、当地に駐留する人民解放軍と合わせると、ウイグル人の数を凌駕するに至っています。2009年以降、弾圧を強めた中国共産党によって、現状では、数十万のウイグル人が強制収容所に収監されており、2019年現在、米国を始めとする各国の強い批判を受けています。中国がウイグル人に”自治権”を認めた歴史的な形跡は皆無であり、文化的ジェノサイドを公然と進める背景には、冷淡な国際社会の無関心に図に乗った、中国共産党の傲慢さが見て取れます。残念ながら、日本人の中にも、作為的に、 ウイグル人=テロリストと言わんばかりの議論を展開する人もいます。中国は民生施設と呼んでいますが、監視社会の究極形態をウイグルに作り出しています。これは、現在の香港と同じ現象です。現状、日本を初めとして米英独を含めた23ヵ国が中国当局に対し、圧力を強めています。


天然資源(石油及び天然ガス)に恵まれたウイグル地区は、中央アジアに繋がる要衝であり、中国の”核心的利益”の筆頭に上げられます。ウイグル地区は、習近平の掲げる”一帯一路”に於いて、重要な位置を占め、地政学的に、極めて重要な地域と言えるでしょう。


中国の生命線と言うべきウイグル地区は、独立はおろか、自治すら認められず、チベットと同じく、悲惨な末路を辿ると言えるでしょう。


この記事のまとめ

この問題に関し、英国はウイグル地区に監視団を派遣させろ、と中国政府に言っています。国際的に、非常に関心を集めているのは周知の事実です。日本や米英独など23カ国は、ウイグル人の拘束を止めるよう、中国政府に圧力をかけています。これに対し、ウイグル人の弾圧は存在しないと論を張る日本人が存在します。私は、これは誤謬だと思います。中共の暴政を指摘すると、厄介な人間が現れて、それは違うと論を張る。私が、この記事を書いた理由は、以上を踏まえてのものでした。


”ウイグル人=テロリスト”の図式を使うのは、中国に弾圧の口実を与えるだ けなのです。

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